4月現在、保存修理工事は本堂の小屋組(柱より上に当たる箇所。屋根やそれを支える部分)の組み立てが行われています。
工事現場は火気厳禁のため、冬の厳しい寒さの中でも、大工さん達は暖房なしで作業されてきました。
本堂と仁王門が建てられた江戸時代は、暖を取るのはもちろん、山中の除雪も容易ではなかったと思われます。
記録によれば明暦3年(1657)10月24日に本堂の棟上げが行われていますが、旧暦の10月下旬は現代の暦だと12月半ば。本格的に雪が降り始める前に何とか棟上げまでこぎ着けた、という当時の状況が想像できます。
冬の間は里で木材加工等を行い、春になって雪が解けてから運び上げ、建てていったのでしょうか。
木材補修作業の様子。新材には色付けを施し、古材との違いを目立たなくする。
南西隅(本堂正面に向かって左側)より横から撮った写真と上から撮った写真。赤枠の中に見えるのは、本堂奥に据え付けられている厨子(ずし)。以下に載せたような作業で部材が組み上げられていった
(写真提供:公益財団法人 文化財建造物保存技術協会)協会)